妻と二人、宇都宮市に出かけた(2026/10/4)
昼飯をどこで食べようかという話になり、適当に車を走らせていたところ、「あたりや」というラーメン屋を見つけた。
私「昼メシ、そこのラーメン屋にしようよ。”あたりや” なんて縁起が良さそうじゃん」
妻「……あ、そっちの意味ね。なんで縁起がいいのかと思った」
私「……あ、そっちの意味ね」
「当たり屋」と「当たり矢」の勘違いが、説明せずとも解消されるとは、我々夫婦も捨てたもんじゃないと自賛しつつ、他にお店を探すのも面倒なので、昼食の店は「あたりや」に決めた。
店に入ると、ちょっとアジアンな感じのお店の雰囲気。注文率No.1とメニューに書かれた中華そばを二人して頼む。麺は手打ちで太く、スープがいつまでもあたたかい、というか熱いのが不思議だった。
チャーシューはこれまた不思議系チャーシュー(造語)でうまい。餃子もちょっと変わっていて、かぶりつくとじゅわっと汁が口の中にぶわっと広がる。まるで小籠包みたいだ(メニューにもそう書いてある)。

「ふーふー」と冷めないスープを冷まそうとする夫婦。店内には、どこかで聴いた覚えのある曲が流れていた。
私「あっ」
妻「何?」
私「この曲よくない?」
はっぴぃえんどの「風をあつめて」を彷彿とさせる、爽やかな曲だった。
妻「……」
私「藤井風だよね?」
妻「そうだね」
妻はそう言ったきり、あとは黙って麺を食べた。私も一緒に、黙って麺を食べた。
ラーメンを食べ終え、金を支払い、店を出る。車に乗って、茨城へ帰る。運転中に眠くなる。
眠気覚ましに歌を歌う。先程のラーメン屋で流れていた藤井風の曲だ。
何でか、私はこの歌を知っている(あとでテレビCMで使われていたことを知る)。いい曲だな、と思っていた。とても懐かしい風を感じる曲だと思っていた。
それが心にこびりついていたのだろう、今日ラーメン屋で聞いて、またぶわっとその時の感動が溢れ出た。
私はこれを歌いたい。眠気覚ましに歌いたい。
でも、歌詞は知らない。サビの歌詞すら覚えていない。サビのメロディしか思い出せない。
だから、鼻歌で歌った。何度も繰り返し、サビだけのメロディを鼻歌で歌った。時折、口笛に変えた。とても気持ちよく、歌っていたのだ。
妻「ちょっと、やめてよ」
妻が私の歌を制する。
私「なんでよ」
気持ちよく歌っていたのにさ。
妻「また、夜中に歌われて起こされるの嫌だから」
——-今より少し昔の話。
大晦日、紅白歌合戦を妻と見ていた。そこで、藤井風が出てきた。私は当時、彼のことをほとんど知らなかったし、曲も聞いたことがなかった。彼は「きらり」を歌った。それが、私の心をずきゅんと撃ち抜いた。
なんだ、この歌、めっちゃいい。彼の歌に、大変感動した。
そして年が明け、次の日の朝。起きるなり、妻に怒られた。
妻「ちょっと、昨日の夜、寝ながら歌ってたわよ。藤井風。何事かと思ったわよ!」
どうやら私は、寝言ならぬ寝歌をしていたらしい。当の本人はまったく記憶にございません。
さらに昔には、歌いながら指揮者のように手を振っていたこともあるらしい(その時はキセルの「ベガ」という曲だった)。
——そして、2026年。
私「ちぇ。じゃあ、家に帰ってからYoutubeで聞くからいいや」
妻「それはもっとやめて。また寝ている時に歌われたらたまらん」
って、言われたんだけれど、その夜にネットで調べて、何十回もその曲を聴いた。何十回聴いても良い曲だった。
曲名は、「真っ白」という曲だとわかった。
そして、思った。
この曲は、当たりや。
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