片付け作業 2025/8/3
岩野さんに呼ばれた。島家住宅の草刈りの依頼だ。
去年も参加したイベント(?)である。
6月の古内茶 庭先カフェでも島家住宅で受付の手伝いをしたし、(私は島家と縁がある)と勝手に思い込んでいるので、岩野さんからの依頼には二つ返事でOKした。
日曜に草刈りの予定だったが、台風が近づいていたので早めに刈ってしまおうとなって、金曜のうちに参加できる人で草刈りを行い、日曜は他の島家住宅の管理作業を手伝うことになった。
日曜に参加したのは、古内地区地域協議会の務める岩野一弘さん(会長)と同じく加藤裕章さん、そして私の3人。
まず、伐採済みの竹をノコギリなどで細かく切る作業。これは毎月行われている島家住宅の燻蒸会の燃料にする。2025年の燻蒸会は毎月第二水曜日に実施していて、この日は国登録有形文化財である島家住宅の月に一度の一般公開日となっている。
休憩を挟み、納屋の片付け。納屋に置かれている不要なものと必要なものを分別した。納屋には古内茶生産組合の資材も置かれていた。
作業は時間にして、2時間程度。真夏の日中の作業であったので、短時間でも汗びっしょりになった。
休憩時間には、3人で島家住宅の活用方法についていろんなアイディアが出た。すぐに実現できそうなものからちょっと時間がかかりそうなもの。

左が加藤さん、右が岩野さん
江戸時代に建てられた古民家で、ちょっとした企画会議。ロケーションがいいのか、いいアイディアが多く出たように思う。やはり、環境って大事だ。
島家住宅は古内茶 庭先カフェの会場の一つとして使われてきて、他にも、庭でキャンプをしたり、落語や演奏のイベントを開いたり、と地域の催し物の舞台として活躍してきた。蔵をリノベーションしてギャラリーにしょうという活動も少しずつだが進んでいる。
あれを見てください、と岩野さんが島家の天井を指さす。幾本もある梁のひとつがぽっきりと折れていて、茅葺の重みで少しへこんでいた。
これは危ないですね、何とか修理しないとですね、けっこう大がかりですよね、3人が口々に不安の声を漏らす。いったいどうやって修復するのだろう、下から押し上げるのか、それとも萱をはがして折れた梁を交換するのか修復するのか。木造の古い家だから、日に日にどこかしらの傷みが重なっていく。
表から見ると立派な家に見えるが、中に入ってよくよく見ると、家全体が傾いている。奥の部屋は床が抜けている。カベだって所々が剥がれ落ちている。放っておいたら、この家は朽ちて崩れ落ちてしまう。
だから、岩野さんや加藤さんらが先頭に立って、有志を募って家の管理をし、城里町から予算をもらえるように交渉し、修繕すべきところは業者に頼んで(これも意志ある業者だ)修繕している。その努力のあともまた、所々にあって、そこだけは新しい木材に替えられている。
島家住宅は、守らなければなくなってしまうもの。
現代の住宅にはない、土間や囲炉裏や萱葺きの屋根や五右衛門風呂といった当時の生活文化を残すもの、とても長い年月を支えてきた木の柱や当時の面影を残す家具や、今は製造されていないという窓にはめられたすりガラス。
300年以上の時を超え現代に残る住宅は、その存在自体がファンタジーだ。
岩野さんたちは、これらを次の時代につなぐための「島家の守り人」なのだ。





