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【茨城・アウトドア】御前山の秘境で、水を浴びる【相川】

コト
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御前山の隠れ癒しスポット・相川(あいかわ)/2020/8/10

人けのない川で、ひっそりこっそり水浴びに興じる

相川で戯れるH氏

H「どう? Kちゃん? この場所、すごいでしょ?! 秘境じゃない?」

Hに連れられて来た場所は、確かに「秘境」と言っても過言ではない場所であった。
田舎の何の変哲もない県道沿いの、知らなければ絶対に通り過ぎてしまうような場所に、小さいけれど美しい水辺の風景が確かに存在していた。

H「ここで毎年水浴びしてるんだよ、俺。この秘境を独り占め! 卑怯でしょ? がははははっ!」

秘境卑怯の洒落か。
悔しいけれど、ちょっとうまいな。

そして、こんな場所で毎年遊んでるなんて、何とも羨ましい。

その日私は、茨城県の御前山にあるH氏の自宅にお呼ばれして、BBQを楽しんでいた。
H氏の家は小さな山々に囲まれて、すぐ近くには那珂川が流れていて、家と家の間はほどよい距離があって。
決して便利ではないだろうけれど、自然の美しさも怖さも存分に感じられる地域で、私はH氏の家に行く度に心癒されるのである。

そんなH氏の家の庭先で、BBQというのだから、これまた贅沢な催しで。
友人の家の庭で、有り合わせの装備で行われたBBQであっても、どこぞのキャンプ場やBBQスポットでやるものと、遜色ないと思えるほどに気持ちが良いものであった。

BBQを始めて程なくして、Hが突然「川でも行こうか」と言う。
川と言うと、近くに流れる那珂川か。
と思ったのだが、どうやら違うらしい。

H「いい場所があるのよ。子どもがいても大丈夫なくらい浅いから、ちょうどいいっしょ」

その日はツレと子どもも連れてきていたから、確かに那珂川だと大きくて流れが速くて心配な面があった。

H「俺は自転車で先導するからさ。後から車でついてきて」

一緒に車に乗って先導すればいいものを、何故自転車?
まあ、目立ちたがり屋のHのことだから、自転車に乗る姿を私たちに見せたいのだろうと思い、Hの言うままにした。

Hに連れられ辿り着いた場所は、御前山ダムからほど近い、那珂川水系の相川という川であった。
川幅は狭く川底は浅く、水がきれいで水浴びするのには格好の場所。
底が浅いから、流されるなんて心配は絶対にない。
県道のすぐ近くだけれど、周囲は木々に囲まれているから、人目につかないし、木漏れ日の美しさを感じることもできる。
淵のような場所があって、そこはちょっとだけ深くなっていて、お風呂みたいに身体をすっぽりと水の中に隠すこともできるほど。
小さな小さなナイアガラの滝のような滝もあって、滝に打たれる修行もできる。

ちっちゃな滝もある。

木漏れ日が美しい

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これほど水浴びに適した場所は、ありそうでなかなかない。

この「秘境」を独り占めしていた(本人談)というH氏は確かに「卑怯」かもしれない。

一時間ほど相川で水浴びを楽しんだあと、再びH氏の家に戻ってBBQを興じることに。
行きと違って、H氏の家までの帰り道は私でもわかるから、H氏の自転車を車ですい~っと抜き去って先に戻る。
後からH氏が帰ってきたのだが、その身体は傷だらけで血まみれ……。

「きゃー!」とツレたちの叫び声。

H「てへへ。転んじゃった」

いや、転んだどころの傷じゃない。
あちこち擦りむき、血が出ている。

H「大丈夫大丈夫、アルコール消毒すれば治るから!」

といって、酒を飲むH氏。

その姿を見て、「何やってんだ!お前は!」とH氏の両親が家から飛び出してくる。

「本当にお前は仕方ないね!」
「いい歳して何やってんだか!」
「つよし(H氏の名前)、しっかりしなさい!」

両親から怒られるH氏。
まさかのリアル・ツヨシしっかりしなさい である。

ちなみに、H氏が今年で41になるというのは、ここだけの話だ。

「ここは俺のお風呂なんだ」とH氏。この頃はまだ元気だった…。

ツヨシしっかりしなさい(kindle版)

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