オシャレなリストランテ漫画
茨城県のリアル・リスパラ?
(リアル・リスパラだ!)
そう思ったのは、とある国道沿いのフレンチレストランに入った時のことである。
フランス語の挨拶が店名になっているお店で、一昔風に流行ったであろう外観と看板。今見るとお世辞にもオシャレとは言えないが、現代とはちょっとずれたセンスが新鮮に映る。その店の前は何遍も車で通っていて、そのたびに気になってはいたが、何となく店に入るタイミングを逃し続けていた。
店内に入ると、きちんとした身なりをした給仕人(たしか女性だったと思う)が出てきた。これぞウエイトレスといった服装をしているから、だらしない恰好で入店した私は少したじろぐ。案内されるがままに席に座ると、ぐるりと店内を見回した。
観光地に昔から店を構えてます、といった感じの内装。新しさはないが、清潔感がある。客は家族連れ、老夫婦などが他にいて、落ち着いたムードで食事をしている。
ファミレスとは明らかに違う雰囲気なんだけれど、格式ばった感じもそれほどしない。今風ではないけれど、「品」があった。
給仕人には男性もいた。こちらもきちんとした服装をしていて、背筋がしゃきっと伸びていた。対応もきちんとしていて、紳士な感じがした。そして、老人だった。つまり、老紳士だった。
「これは! リアル・リストランテ・パラディーゾじゃん!」
いささか興奮したが、場をわきまえて小声でツレに話す。リスパラを知らないツレは何のこっちゃという顔をしていた。
それにしても、飲食店で働く人ってかっこいい。私も今の仕事がリストラなんて(リストランテ)されたら、レストランで働いてみたいな。
▼「ワンチャンあるかも?」と中年~初老男性の夢物語でもある▼
老紳士に恋する乙女の物語
オノ・ナツメさんの漫画はオシャレだ。
絵もオシャレだが、ストーリーもオシャレだ。リストランテ・パラディーゾは、舞台がイタリアのレストラン(ここからはイタリア風にリストランテと書こう)で、そこで働くのは、老紳士ばかり(しかも老眼鏡付)。
離れ離れに暮らしていた母娘の再会から、リストランテで働く人々の過去の話など、オトナな話題でたんたんとストーリーは進むが、それがヨーロッパの映画を見ているような感覚になる。あんまりヨーロッパ映画見たことないけれど、何となく。そこがまた、オシャレなんですな。
そのオシャレな舞台で、主人公の女性(ニコレッタ。かわいい)が老紳士に恋をする。ニコレッタちゃんは意外と肉食系。恋した老紳士に襲い掛かるほどに積極的なのである。その一生懸命さがまたかわいらしく、読んでいるこちらがニコレッタちゃんに恋をしてしまいそうになる。
こんなに素敵に老いることができれば、ニコレッタちゃんみたいな若い女性に好かれるチャンスもあるのかも……と想像すると、歳を取るのも悪くないと思える。老紳士には程遠い、中年ポンコツおじさんにとって人生の潤滑油(オイル=老いる)のような一冊だ。
▼「ワンチャンあるかも?」と中年~初老男性の夢物語でもある▼
今回紹介した本
- 出版社 : 太田出版
- 著者 : オノ・ナツメ
- 発売日 : 2013/10/16
▼リストランテにはロマンスがいっぱいなんだよ▼
外伝のGENTEもあります。

