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残雪のある滝景色 ~袋田の滝・月待の滝~ @茨城県大子町

コト
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残雪と滝の組み合わせにうっとり(取材日:2022/2/13)

残雪と袋田の滝

「袋田の滝 ○割氷瀑」とSNS上で流れるのをここ最近見てきた。先週末は友人Hが鍋足山の滝が凍っている写真を送ってきた。2月10日には今年2回目の雪が降り、今晩(2月13日)の夜にもまた雪が降るという。

今年は雪が多い。ということは、気温が低いのか。ということで、袋田の滝の氷瀑も進んでいて、ひょっとしたら10割氷瀑を拝めるかもしれない。そんな淡い期待を胸に抱いて、袋田の滝に行ってみた。

道路は先日の雪がほとんど残っていない。気温もそれほど低くない。これで氷瀑なんてしてるのかしらん。いや、大子の山中にある袋田の滝ならば、気温がぐっと下がっていて、滝も凍りついているかもしれない。

あれこれと考えているうちに袋田の滝に到着した。第二駐車場に車を停めて、少し散歩。途中の土産物屋でアユの塩焼きを食う。

試しに店の人に滝の様子を聞いてみた。

「氷瀑してますか?」

「もう終わっちゃったね。先週くらいがピークだったかな。ほら、この間雪が降ったでしょ。あれで水量が増して凍らないのよ」

マジか。そんなものなのか。雪が降ったら残雪で気温が下がって余計に凍ったりしないのか。

期待で膨らんでいた胸はパン!と弾けた。
それでもここまで来たのだから滝を見なきゃ損。観瀑台へと向かった。

まずは第一観瀑台に行くと。残雪をまとった袋田の滝が、眼の前に現れた。

第一観瀑台から

すると、期待が弾けてしぼんだ胸が再び膨らみ、また別の意味でパン!と弾けた。氷瀑ではないが、これはこれで見事な眺めである。ところどころにある雪のかたまり、そこの合間をぬって、もしくはその雪の下から水が勢いよく流れ落ちている。

これは、すごい!
喜び勇んでエレベーターへ。第二観瀑台へ向かった。

第二観瀑台から

第一観瀑台より少し高いところにある第二観瀑台では、滝の全貌が見て取れた。水の流れている部分よりも残雪が多い。水ではなく雪が流れ落ちているようだった。この雪と滝のコラボレーションは、降雪間もない時期だからこそ、見ることができる景色だろう。

滝川

袋田の滝から流れ出た滝川には「氷花(しが)」のようなものが浮かんでいた。袋田の滝は別名「四度の滝」という。四度にわたって水が落ちているから、という意味もあるが、四季にわたって四度楽しめるという意味もある。前回袋田の滝に来たのは一昨年の秋口。紅葉前のシーズンだったから、いたって普通の「袋田の滝」であった。まぁ、それはそれで普通に楽しめたのだが、今回のように季節感たっぷりの時期に来ると、その本当の素晴らしさがわかった。

双葉食堂の湯葉とろろそば。

興奮冷めやらぬ状態で昼食をとることにする。双葉食堂で湯葉とろろ蕎麦を食す。普通盛りでなかなかのボリューム。蕎麦も汁もうまい。

双葉食堂のざるうどん。太麺。うまい。

子どもが残したざるうどんも食す。太麺で「ほうとう」みたいなうどんで、こちらもボリュームがある。蕎麦でもうどんでもラーメンでも太麺が好きな私にはぴったりだった。

袋田の滝の残雪景色と蕎麦とうどんのうまさにすっかり気分が良くなったので、ついでに月待の滝も見に行くことにした。

月待の滝、別名、裏見の滝。別名の通り、滝の裏側に入れることで有名な滝である。袋田の滝から車で20分弱の場所にある。

茶屋の脇をするりと抜けて、滝に出くわす。滝壺には残雪の山が。

月待の滝にも残雪が。

なんだこれは? と滝よりも残雪の山に興味がわく。滝の裏に周って、足で残雪の山を踏んでみると、恐ろしいほどにツルツルと滑る。カチカチに凍っているのだ。

滝の裏側

壮大な残雪のある袋田の滝と違って珍妙な趣で、子どもたちにはこちらの方がウケが良く、残雪の山で遊び始めた。次男が残雪の山に登ろうと果敢に挑むが、つるっと滑って両ひざを打ちつけ、そのままズルズルズル……。

「膝が痛い」と嘆いていたが、楽しんでいたようなので「恨み(裏見)っこなし」ということで。

滝王国ニッポン (エイ文庫)