有機農家が作ったオーガニックの店・第5回月一ミニ講座
「マクロビオティックって何?」に行ってきた(2020/7/26)
有機農家が作ったオーガニックの店「月一ミニ講座」
2020年7月26日、茨城県笠間市にある「有機農家が作ったオーガニックの店」の主催で開催された「第5回月一ミニ講座・マクロビオティックって何?」に行ってきた。
開口一番は、涌井義郎先生(写真・右)によるお言葉である。
「オーガニックの店は、物を売るだけのお店ではなく、環境と健康をテーマにした情報交換ができるお店にしたいと思っています」
それで今回は、水戸市で自然農を営む「草っぽ農園」の片野真弓さん(写真・中央)を講師としてお招きし、「マクロビオティック」についてのお話をしていただくことになった。
なんと、片野さんは若かりし頃にバックパッカーであったとのこと。
あちこちを旅して、お金がなくなったら農家のお手伝いをしていたらしい。
その農家の家に置いてあったのが「マクロビオティック」の本。
それが、片野さんとマクロビの出会いであった。
マクロビオティックって何?
マクロ…MACRO(大きい)
ビオ…BIO(生命)
ティック…TIC(術)
以下、マクロビオティック運動の創始者・桜沢如一さんの言葉。
「広い視野に立って、それを引き起こしている要因をとらえてみよう。そしてまず実践の基本は『食』にある」
そして、片野真弓さんのマクロビのポイント。
「子ども心に帰る」=「欲求を否定しない(感じきる)」
「物事の現象的な違いを、相補的にとらえる」
えーっと(汗)。
要点だけを連ねると、意味がわからんな。
こんな時は、Google先生に教えを乞うのが一番である。
以下、Wikiから抜粋。
実際に講座を聞いてきた割には、表題の問いに対していきなりウィキペディアを参照・引用してしまうほどの体たらくぶりではあるが、私は私なりにマクロビオティック(通称・マクロビ)に対してそれなりの答えを得たように思っている。
私なりの答えとは、「陰と陽の食べ合わせ」だ。
鶏肉(陽)を食べたら、玉ねぎやトマト・ブルーベリーなど(陰)を食べる(鶏肉の量に対して3倍以上)。
豚肉(陽)を食べたら、キャベツやりんご・パイナップルなど(陰)を食べる(同じく3倍以上)。
牛肉(陽)を食べたら……といった感じ。
「陽」の食べ物……動物性の食べ物(牛乳や卵などももちろん含む)を食べたら、
「陰」の食べ物……植物性の食べ物(野菜や果物。香辛料や酒、お茶なども含む)を「陽」の3倍以上摂取することで、「調和」される、ということである。
偏った食事は、肉体的にも精神的にもよくないから、その偏りの反対側(ただし、対立ではない。あくまで相補的)の食事をすることで、バランスがとれる。
これは、食事だけに限らない。
勉強や仕事で疲れたら、家に帰って思い切りくつろぐ。
ここでも「陰と陽の食べ合わせ」が行われている(食べてはないけれど)。
こうして人は、バランスを取っているのだ。
このバランスが崩れると、いろいろと支障を来す……というわけである。
実をいうと、この講座に参加するまで、私はマクロビオティックとベジタリアンを混同していた。
(ベジタリアンにもいろいろあるようだが)
マクロビは、肉を食べてもいい。
だが、その相補的な食べ物も摂取しましょう、といった感じである。
※相補的な食べ物についてはそれぞれあるので、専門的な書物を読みましょう!
なお、後で調べてみてわかったのだが、私のマクロビの答え「陰と陽の食べ合わせ」は、Wikiでいうところの「陰陽調和」に当たるようだ。
片野さんはこのようにも言っていた。
「今の自分にとって、本当においしいもの、心地いいこと、楽しいこと、うれしいこと、ありがたいこと、ほっとすること、安らぐことは何だろうか? 自分との対話をとことんすることが重要です」
この言葉は、先の片野さんの言葉「子ども心に帰る」「欲求を否定しない」ことにかかってくる。
「自分との対話」と聞くと、仏教の瞑想が思い浮かぶ。
自分の心と身体にしっかりと語り掛け、じっくりと話を聞くことで、今の自分にとって本当に必要なものは何か?という答えを出すことは、人間にとってそれほど大事なことなのであろう。
ちなみに、この「自分との対話」は他の宗教でも同じような意味を持つ行為や言葉がある。
ヨガのポーズ、イスラム教のマルフォット(内面への旅)がそれだ。
今読んでいる本「バウルを探して/三輪舎」に登場する「バウル」と呼ばれる人々も、一番大切なのは「自分は何者なのかを知ること」「人間の体がすべての源なのだ」と言っている。
人生に迷走にしないために、瞑想は大事なのだ(お粗末)。
この片野さんの言う「本当においしいもの」を食べる際にもポイントがある。
「本当においしい自然のものを食べる」が正解であり、無農薬・有機栽培(もしくは自然栽培)で育てられたものを食べるのが、マクロビ的である。
ここに、Wikiで書かれている「身土不二」「一物全体」がかかってくる。
「身土不二(しんどふじ)」とは、「身体(身)と環境(土)はバラバラではありませんよ(不二)」という意味で、その土地柄・季節に合ったものを食べることが大事ということ。
「一物全体(いちぶつぜんたい)」は、「一つのものを丸ごと食べる」という意味。
普段切り捨てている皮や根、葉や種子といった部分には、実はとても栄養がある。
だから、ごはんは玄米・胚芽米で、野菜や果物は葉や根、皮といった部分を丸ごといただいちゃいましょ、ということである。
「本当においしい」と思えるからといって、ジャンキーな食べものを食べるのはいけない。
いや、いけないことはないのか、そこは相補的に、「陰陽調和」すればいいのだろう。
マクロビオティックを一言で言い表すと「自然」がしっくりくるのではないか。
自分自身の「自然」な状態・「自然」な意思で、「自然」なものを「自然」な状態・あるがままの状態で食べること。
それが「食養」につながり、精神と肉体に調和をもたらすのではなかろうか。
ただし、「自分自身の自然な状態・自然な意思」を突き詰めるために、「自分との対話」が必要で。
講座の最後に、涌井先生が話をまとめる。
「(マクロビオティックは)自分を客観視することで、自分をコントロールすること……かな」
私がこねくり回していたマクロビ論を、見事に一言で言いきってくれた(しかもわかりやすい)。
そして、今後の「オーガニックの店」のことも。
「このオーガニックの店をいろんな立場・考え方・食生活を学ぶ場所にしたい」
この講座を聞いて、「マクロビオティック」の存在・思想が今までよりも明確になった。
食わず(知らず)嫌いなんてもったいない。
見聞を広めることで、自分の世界が広がるのだから。
初心者にもオススメのマクロビオティックの本
キレイな人は「その一口」を大切にする 正しい食欲のつくり方 (正しく暮らすシリーズ)
著者の西邨 マユミさんは、なんとマドンナやミランダ・カーの専属シェフ。
その西邨さんが「食欲コントロール術」について語っている。
マクロビオティックの考え方に基づいた「症状・体質・素材」のそれぞれが持つ陰陽の性質を理解した上で、家庭でできる手当法を紹介している。
自然治癒力を高めるマクロビオティック[基礎編]:正食医学の理論と実際
片野さんのマクロビの師匠・磯貝昌寛さんの著書。
群馬県生まれの食養指導家であり、「マクロビオティック和道」主宰。