はじめてのシステム手帳
先日、生まれて初めてシステム手帳を買った。ブルーシンシアというブランドの、A5サイズのシステム手帳だ。
もともと、「手帳は高橋」のA4サイズの手帳を使っていた。雑な性格の私は、文字を書く時、メモを取る時に性格がそのまま表れてしまい、小さな手帳では書ききれない。
その点、高橋手帳のA4サイズは、紙面サイズが大きく、雑な私でも問題なく使えていた。使い勝手は良かったのだが、一点問題があって。年度末に手帳を買い換える際、まだまだ書き込める余白や何も書いていないページが残っていたり、まだまだカバー使えそうなカバー(合皮)を捨ててしまったりするのが勿体ないと感じた。
また、大事なメモやパスワードが書かれたページは残したいのに、年度が変わるごとにそのページも一緒に捨てねばならないのが嫌で、そのようなページはハサミで切り取って、次の年の手帳にセロテープで貼り付けるなどの作業をしていたのだが、年度変わりの忙しい時期にそのような作業をするのが煩わしくなった、というのもある。
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見開いた状態
この問題を解決するために、私が選んだのが、システム手帳の購入だった。カバーはそのまま使えるし、リフィルを差し替えが可能だし、追加も削除もお手の物だし。下敷きとか、しおりとか、自分好みに機能を付け足すことだってできてしまう。
それから、ネットや書店で手帳を探し続けること数か月。ダヴィンチ、ファイロファクス、フランクリンプランナーなど有名どころのシステム手帳に惹かれたり、その他リーズナブルな手帳になびいたり、などあっちを買おうかこっちを買おうか、のらりくらりとばかりしていて、一向に何を買うかが決まらない。
私がシステム手帳に求めたのは、
- サイズが大きいこと(最低A5)
- リング径20mmくらい(なるべくたくさんのリフィルを搭載したい)
- できれば本革(合皮だと耐久性に難ありと知って)。
- お手頃価格(1万円前後)。
この4点。
最初に答えを書いちゃっているが、これに該当するのがブルーシンシアの手帳だったのだけれど、それ以外のメーカーにも私の希望にそった手帳はいくつかあった。
その中で、ブルーシンシアの手帳を選んだのには、当然ワケがある。
決め手となったのは、以下の3点。
- 購入することでバングラデシュへの寄付となること(エシカル消費。バングラデシュといえば、「バウルを探して」!)
- レトロキャメルという色(というか、色の名称。ラクダの色だから=らくご舎ロゴマーク)。
- 最後に「手帳好き」を名乗るブロガーが使っていたこと、芸能人がドラマで使っていたこと(なんか、お墨付きみたいな感じが欲しかった)。

購入したシステム手帳に付いてきたメッセージカード
かくして、悩みに悩んで購入した念願のブルーシンシアのシステム手帳。届いたはいいが、肝心のリフィルが入っていない。リフィルがなければ、いかに素晴らしい手帳であっても、下敷きにもならない役立たず(ブルーシンシアの手帳の革は表面がゴツゴツしているから下敷きにすらならない)。

ブルーシンシアのシステム手帳(A5)
それでも、あまりの嬉しさに血迷った私は、リフィルのないシステム手帳を職場に持って行って、後輩上司に見せびらかした。
「見てください!これ!」
と言って突然席を立つ私。その手に持つのはレトロキャメルのブルーシンシアのシステム手帳である。
「システム手帳です。ブルーシンシアっていうブランドで、バングラデシュの工場で作っているから、購入することでバングラデシュの人々を応援することにもなるんですよ」
「へぇー。すごいですね」と棒読みで言う同僚G。
「で、なんて言えばいいの? なんて言えば正解なの?」と反応に困る上司N。
後輩Eに至っては、無言で苦笑いを浮かべるのみであった。
私は黙って席に座りなおし、リフィルのないシステム手帳を鞄に仕舞った。

購入時。リフィルは付いていないので別途購入が必要。
数日後。
ダヴィンチのリフィルを搭載し、ブルーシンシアの手帳は、システム手帳として機能し始める。5月に使い始めたので、それまで使っていた手帳から予定を転記して、大事なメモを貼りなおして、ついでに新しくボールペン(ロットリング)も買っちゃたりして。それをペン刺しに差し込んじゃったりして。
完璧なカスタマイズを施した私のブルーシンシア・レトロキャメルは、この先出会う人々から羨望の眼差しを受けまくるに違いない。
「システム手帳買ったんですよ」
普段は別の場所で働いている文具好きのK女史には、事前にシステム手帳のことを電話で話していた。
「えー、見たい見たい!」
とかわいらしいギャルのようにはしゃぐK女史は、60歳を過ぎた素敵な女性である。
ある日、K女史に会う機会があり……。
「見てください、Kさん!これが私のシステム手帳です!(バーン!)」
堂々とブルーシンシアのシステム手帳を見せる私。以前とは違い、リフィルも付けられているしロットリングのボールペンも付いている。これほどまでに粋でいなせなシステム手帳は他にあるまい!
「へぇー」と冷めた反応のK女史。
「え?」と私。
K女史の反応がイマイチなことに驚く。焦った私はブルーシンシアのシステム手帳がいかにすごいか力説する。
「これはバングラデシュの工場で作っていて、買うことでバングラデシュの人に……」
しかし、K女史はそんな言葉に耳を貸さずに、
「何か思っていたのと違う」
と冷ややかな一言を私に浴びせるのだった。
「でも、色はいいじゃん。ナニコレ、ラクダの色?」
「そうなんです、レトロキャメルなんです」
「ははーん」とK女史はにんまりしたが、手帳自体への興味関心は薄いままだった。
どうにも、うちの職場は手帳のセンスというものを持ち合わせていない人たちばかりのようだ。まったくもって、けしからん。これほどまでに素敵なブルーシンシアのシステム手帳が、彼らの目には留まらないのだから。
こうなりゃ手帳に、かんかんのうを踊らせるしかない(落語”らくだ”より)。

リング径は19mm

刻印入り。カードポケット×4、フリーポケット×3

裏面。ベルトでしめるタイプ