かっこいいツナギを着て、ファッショナブルに農作業を
野良着といえば…ツナギでしょ!
さて、みなさま。
野良着(農作業)というとどんな服装を思い浮かべるだろうか。
麦わら帽子にオーバーオール?
アメリカンな野良着ですな。
農家というより「ファーマー」な感じ。
もんぺ?
これぞ、日本の農作業着!
でもさすがにイメージが古いか。
……実際のところはというと、着古した服であったり、ジャージだったり、ホームセンターで売っているような作業着であったり、といったところである。とにかく重要なのは、動きやすさと汚れてもいいの2点であり、ファッション性の部分は二の次の要素だ。
農業を始める頃の私は、そんな現実は知らずに、野良着というとツナギを思い浮かべた。ツナギ…オールインワンなどという呼ばれ方をすることもある(和製英語)。
上下の服とズボンが一体化していて、車の整備士さんなどが来ているアレである。
なぜ、農業でツナギ?と思う人もいるかもしれない。そこはほら、いつもの漫画の影響というやつで。
「もやしもん」という農大を舞台にした漫画で、生徒たちが来ていたのがツナギであったのだ。
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B06XPC1KLW” title=”もやしもん(1) (イブニングコミックス)”]
バックプリントに「農」という字を丸で囲んだプリントがしてあるツナギを着て、漫画の主人公たちは授業=農作業をしていた。私はそのイメージのままに、農業の世界に足を踏み入れた。だから、農業の学校に通った時も、ツナギを着ていった。他にツナギを着ていた人は…少しだけいたような、いなかったような。
農業の研修(実際の農家で働くこと)の際もツナギを着て行った。農家や従業員に、「それ(ツナギ)、動きにくくない?」などと言われた。私のイメージと実際の野良着事情は、だいぶかけ離れていたようで、農家でツナギを着る人はあまりいないことがわかった。(畜産農家はよくツナギを着るようだが)
それからというものの、私も農作業時にツナギを着なくなった。
脱ぎにくいし洗濯の際に嵩張る。動きにくさはそれほど感じなかったが、ジャージや他の作業着と比べるとやはり多少は動きにくいかもしれない。夏などの暑い日は、上下がつながっているので暑い(通気性がよくない)。
汗をかくとべったりと肌に張り付く。トイレの際(大の時)に、上から脱がないといけないのも面倒であった。
だがしかし、本当にツナギは野良着に向いていないのだろうか。
ここ最近、高萩さんの家で取材を兼ねた農作業をさせてもらっているが、その時にはツナギを着ていくことも多くなった。
なぜって?
それは、もう……カッコイイからに決まっている!という、ミーハーな感想はさておき、ツナギだって便利な部分はある。
まず、重ね着をする際に便利。重ね着って、何の下にこれを着て…とか組み合わせを考えるのが意外と面倒である。ツナギならば、これ一着で上と下が一枚分になる。ツナギの下にも薄手のフリースを着られるし、ツナギの上にヤッケなどを着てもいい。ツナギというベースがある分、あれこれと考える手間が少しだけ省ける。
また、当然作業着なので汚れも気にならない。むしろ、汚したくなる。
何より、これから仕事をするぞ!という気分になる。ユニフォーム的な役割というか。「仕事着」として着るから、気持ちの切り替えをするのに、いつもと違った服装をするのは良いかと。
……と、無理やりツナギと農作業の親和性について考えてみたが、あまり思い浮かばなかった。
やはり、ツナギはカッコイイからという理由が、一番しっくりくる。ファッション性の高さを抜きに、ツナギは語れない。
ツナギは、農業とファッションを「つなぐ」大切な存在なのだ。