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行方市の塩田さん Vol.2 セイタカアワダチソウを、手で抜く

コトヒト取材記
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セイタカアワダチソウに丸腰で挑んだ結果……三角ホーが欲しくなった。(2021/8/12)

葉物農家の作業を手伝う

Sさんのハウスに生い茂る草たち

コロナやら雨やらで何もすることがないので、行方市の塩田さんの家に遊びに行ってきた。

塩田さんは農家で、私が農業従事者であった頃からの友人である。コロナやら何やらで、ここ1年ほど会っていなかった。「遊びにいきますよ」と気楽なLINEを送ると「どうぞどうぞ」と返ってきた。歓迎されているようなので、気楽な気持ちで遊びに行ってきた。といっても、心構えとそれなりの身支度は整えた。農家の圃場に遊びに行くということは、おそらく、きっと、そういうことになるのではなかろうかと。ツナギに帽子、長靴に軍手。そして、少しの差し入れを持って、行方市へ向かった。

久しぶりに塩田さんに会い、互いの近況…というよりは主に塩田さんのはなしを聞いた。そのうちに、「そうだ、Kちゃん…ちょっと手伝ってもらっていい?」ときた。もう、そのつもりで来ましたから。服装を見てもらえればお分かりになると思いますが。

行方市の塩田さん。セイタカアワダチソウと一緒に。(本人希望で今回はモザイクw)

Sさんのビニールハウスとビニールハウスの間には、茫々と草が生い茂っていた。見慣れた草がある。一際背が高い草……セイタカアワダチソウだ。セイタカアワダチソウが、ハウス間に元気よく伸びていて、その高さおよそ2mほど。

「いやぁ、追いつかなくてね(作業が)。ちょこちょこやってはいるんだけれど」

という訳で、今年の草取りが始まった。

ハウスの間なので、刈払機は使えない。
管理機を使うにも、地面が防草シートで覆われているから使えない。

「何使ってこいつらをやっつけるんですか?」

塩田さんに聞いた。

「手だね」

なるほど、やはり、そうか。
少しの覚悟をした。

作業始めは小気味よく草が抜けた。セイタカアワダチソウは、案外すんなりと抜くことができた。Sさんとの会話を楽しみながら、草を抜くのも悪くない、なんて思えた。

今回の厄介草

しかし、時折手が止まる。草が抜けない。両手で草を持ち、思い切り後ろに体重をかけるも、草はびくりとするが抜けはしない。それは、セイタカアワダチソウのように背が高いが少々装いが違う、黄色い花を咲かせる草であった。その草に遭遇した時は、根ごと抜けなくてもあきらめることにした。更に、その草を抜こうとすると花粉やらが飛び交う。それを吸い込むと、くしゃみが出る。花粉やらは衣服にまとわりつき、鬱陶しい。まったくもって、雑草である。

「除草剤撒いちゃいましょうよ」

あまりに難儀な仕事なので、思わず塩田さんに暴言を吐く。

「やっちゃいたいけどね、それをやると俺の数年の努力が水の泡に」

有機農家の苦労を知る。

「背の高い草だけ抜こう」ということにした。

4、5棟ほどのハウス間の草を抜いて、手伝いは終わった。
涼しい日であったが、服は汗でびっしょり。身体中に先ほどの雑草の花粉やら花びらやら種やらがこびりついていて、気持ちが悪い。
草取りというのは、単純作業ではあるがなかなかの重労働である。

塩田さんと別れ、帰りの車で大事なことを思い出す。

そうだ、こんな時こそ、三角ホーがあれば。

 

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