古内茶とは
室町時代初期には栽培されていたと言われ、一説には日本茶の歴史では京都の宇治茶に次いで、二番目に茶産地として広まったとも。水戸黄門で知られる徳川光圀が同地区の清音寺を訪れた際、境内で採れたお茶の味の良さに感嘆して「初音」と言う名前をつけ、栽培を奨励したと言われている。
「初音」は清音寺の境内にわずかに残るばかりだったが、2014年に生産組合を中心に「初音再生プロジェクト」がスタート。清音寺の母木から挿し穂約千本を切り出し、同地区内の国登録有形文化財 築320年の「島家住宅」にて植えて育て始めた。2020年から収穫出来るようになり、今年で初音再生プロジェクト10年目の節目を迎える。
スポンサーリンク初音を飲む
古内地区地域協議会の岩野さんに、今年収穫した「初音」の茶葉を頂いた。
「古内茶庭先カフェをプレ開催からずっと取材してくれているので」
ということで、私みたいな落伍者が貴重な初音を飲む権利を得てしまったらしい。
今年収穫した初音は、およそ6㎏。製茶すると1㎏ほどになってしまうという貴重なお茶だ。そのうち、茶葉と粉末をそれぞれ10gずつ頂いてしまった。初音再生プロジェクトの10年目ということで、初音は金の箔押しがされた立派な箱に収められていた。
水戸黄門を「おいしい!」と唸らせた由緒正しきお茶であるから、こちらも由緒正しく飲まねばならない。普段は使わぬ茶飲み茶碗を食器棚から取り出して、湯を70℃(おいしくお茶を飲む温度)に設定して、急須に初音の茶葉を入れて、湯を注ぐ。2分くらいそのままにして、茶葉の旨味を引き出す。そうしてお茶を椀に注ぐ。色がまだ薄いから、少し待ち、また注ぐ。それでもまだ薄いから、じれったくなって急須を回してまた注ぐ。数回繰り返していたら、茶の色が濃くなったので、そのまま最後まで注いだ。
茶の作法など知らないから、そのまま椀に口をつけて、くいっと初音を口に含んだ。口当りは割とあっさりしていたが、ピリッとした苦味と渋味が口中に広がり、最後に爽やかな風味が感じられた。
「うむ」
なんともお茶らしい苦さを噛みしめて、箱に押された葵の御紋を眺めると、人生楽ありゃ苦もあるさ、と口ずさんだ。
第9回 古内茶庭先カフェ 2024年11月10日開催!
茨城三大銘茶産地の城里町古内地区の茶園や店舗、個人の住宅が軒先を開放し、1日だけのお茶カフェを開く「第9回 古内茶庭先カフェ」が11月10日(日)に開催されます。自然あふれる秋の古内地区を歩きながら、各会場ごとのお茶の違いを味わったり、キッチンカーの飲食などをお楽しみください。
黄門様が名付けた「初音」の茶畑がある国登録有形文化財「島家住宅」では12:00~12:30まで水戸黄門の新作演劇を公演します! 地元七会地区の阿久津れいさんが主演する他、城里町立常北小学校児童も4名参加します。(協力:(一社)水戸葵社中 縁☆団 水戸黄門)
その他、古内茶を原料に使った各種スイーツを販売する会場がある他、ほうじ茶作りワークショップや、オリジナル和紅茶ブレンド体験など、色々な催しも充実していますので、是非足をお運びください。(古内地区地域協議会より)
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