令和7年 ちょっ蔵 新酒を祝う会(2025/4/27)
茨城県笠間市で日本酒「稲里(いなさと)」などを製造する酒蔵・磯蔵酒蔵。この酒蔵では、新酒の製造が終わると一風変わった祝い方をする。
それは、酒蔵を一般開放して、客と一緒にお祝い(酒呑み)をする、というもの。
入場券(基本前売り)を受付に渡すと、その年にできた新酒とおちょこを渡され、酒蔵の中に入場できる。酒蔵の中庭や通路といった場所では、客が持参したレジャーシートなどの上に座り込み、酒盛りをする。メインステージっぽい場所では音楽ライブやダンスがおこなわれ、飲食店が出店して食べ物を販売する。
酒蔵の中は、酔っ払いであふれかえる。酔っぱらって中庭で寝てしまう人もいれば、千鳥足になって転んでしまう人もいる。でも、みんなの表情は、とても陽気で笑顔だ。まぁ、酒飲んで酔っぱらっているのだから当然といえば当然かもしれないが、このイベントに何度か参加したことがあるが、その時に怒号が聞こえたことは一度もない。みんなで酒を呑み、真っ赤な顔をして笑い合う。
……そんな、祝い方だ。
来場者数は2,000人規模というビッグイベントで、開催は今年で15回目(くらい?)になる。お年寄りから若者、そして子ども(もちろん親に連れられて)まで、年齢問わず、職業問わずにいろんな人がこの酒蔵に集まる。茨城の、片田舎の、小さな酒蔵で開くイベントに、こんなにも人が集まるのだから、本当にすごい。
このイベントに来る人は、ほぼ全員日本酒を呑みに来る人だから、駐車場は用意されていない。だから、来場者はみな電車でやってくる。

JR水戸線、稲田駅
「一年に一度だけ、稲田駅が人でにぎわう日」
磯蔵酒蔵の最寄り駅・JR水戸線稲田駅の駅員が話す通り、当日は稲田駅を含んだ磯蔵酒蔵周辺が賑わい、日常とはかけ離れた異様な雰囲気に包まれた一日となる。

ちょっ蔵新酒を祝う会で入場券と一緒にもらえる新酒
今年、酒飲みの先輩S田氏とその友人らと一緒に、このイベントにちょっくら行ってきた。その様子を書こうと思っていたが、酔っぱらってしまったのでよく覚えていない。ただ、強烈に覚えているのが、先輩S田が酔っぱらって転がり、酒をぶちまけた姿の滑稽さだった。
それは私とS田先輩がトイレに出かけ(酒蔵のトイレはめっちゃ混んでいるので、再入場の印をもらって駅のトイレを借りるのが良い)、宴席に戻った矢先の出来事だった。S田は座ろうとしてバランスを崩し、そのままレジャーシートの上に転がった。
その転がり方の無様さといったら! もう!
ごろん!と勢いよく転がり、小さなテーブルの上に置かれた酒や食べ物をあたりにぶちまけた。
そして、「いててて。ごめんごめん」と笑いながらS田は起き上がり、何事もなかったようにまた酒を飲みだしたのだった。
嫌だね、酔っぱらいというのは。みっともない。
そんな風にS田を馬鹿にした私だったが、イベント後に家に着くなり「いつまで吞んでるんだ!」と妻に怒られ、「ちょっとしか吞んでないよ」と言い訳をすると「嘘をつけ、そんなに顔を赤くして、声もガラガラじゃねーか!(酒焼け)」とさらに怒られ、夜になると吞みすぎたのか腹が痛くなって眠れなくなり、翌日も二日酔いで仕事が手に付かず。
やっぱり嫌だね、酔っぱらいは。我ながら。
酒は「ちょっくら」呑むだけが一番なのかも。


酒の本





