ひとり農家のひとりごと・取材記(2)

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今月の高萩さん(2018年11月)

 

 

深まる秋と、おいしいかき餅

黄色く染まった銀杏の葉が、もうほとんど散り落ちて、
地面の上に黄色の絨毯をこしらえ終えようとしている頃。

高萩さんちに、お邪魔しました。

高萩さんは、借りてきたハーベスターにお手製のホースをつなぎ、水圧で蓮田の泥を飛ばしながら、手探りでレンコンを探していました。

「今年は4年目で一番いい出来」

と、レンコンを掘りながら高萩さんが言います。

私も数年、高萩さんのレンコンを見てきましたが、今年のレンコンはたしかに形がキレイでした。 最初の年などは、形が悪いものが多く、どうなることやらと思いましたが、さすが研究熱心な高萩さんです。

4年の歳月を費やし、見事なレンコンを育て上げました。

「寒くなってきたら、甘さがのってきましたね。天ぷらにして食べるとおいしいですよ」

レンコンの天ぷら……と聞いて、思わず唾をごくりと飲み込みました。

その後、高萩さんが掘り起こしたレンコンは、天ぷらにしか見えません。

 

レンコンの生産地として有名な茨城県ですが、そのほとんどは霞ヶ浦近辺で栽培されているものです。土浦市は全国1位、かすみがうら市は全国2位の生産量。

ほか、上位に行方市、小美玉市、稲敷市などが入っています。どの市町村も、茨城県の南の地域です。

城里町でレンコンを栽培しているのは、おそらく高萩さん1人だけ。

高萩さんいわく、 「ここは、茨城県では最北端のレンコン栽培地」 とのこと。

前回訪問してからの高萩さんは、10月に干し芋用のサツマイモを収穫し、 生姜の収穫、レンコンの収穫などをして、今冬を迎えようとしています。

炭素循環農法(たんじゅん農法)で育てている大根も、順調に育っているようです。

12月に入ると、干し芋作りが始まります。

などと、高萩さんから近況を聞きながら、お菓子をポリポリ。

いただいたのは、まんげつもち米を使用した「かき餅」。

化学調味料などは一切使用しておらず、もち米とサラダ油と醤油のみで作られています。

これがまた、おいしい。

滋味が深いというか、味がとても上品。

醤油の味と香りが口の中にじんわりと広がりました。

 

そんな感じで、今回の取材は終了。

本当に取材してきたのかって?

もちろん。お菓子を食べるのも取材です。

 

追伸:栽培中の芽キャベツを初めて見ました。 こんなだったのか!

 

2018年11月 らくご舎