今月の高萩さん(2019/3/31)
久しぶりの高萩さん
都内よりも少々寒い茨城県にも、桜の便りが届く季節になりました。
高萩さんちに行く途中の道でも、満開に近いぐらいの勢いで咲く桜を見ることができ、春の訪れを感じずにはいられない今日この頃です。
さて、高萩さん宅に前回訪問したのが2月2日。
「毎月取材する」という自分ルールを、ほんの数か月しか守ることができず、意思の弱さを露呈してしまった訳ですが、今回ようやく高萩さんの畑を見に行くことができました。
ではでは、この2か月間の高萩さんの暮らしぶりはというと……。
前回まで作っていた干し芋の出荷は3月下旬で終了。
好調だったレンコンは、今なお掘り続けています。
高萩さんが「甘くておいしい」と自画自賛するほどの出来だった今年のレンコンですが、その秘訣を聞くと有機肥料と城里町の気候にあるとのこと。
朝晩は寒く、昼は暖かい城里町。
この寒暖差が、レンコンのみならず野菜を甘く、おいしくしているのだとか。
茨城県の城里町は、周囲に小高い山がたくさんあって、いわゆる中山間地域になります。
このような地域では、全国的に見てもおいしい野菜が作れているみたいですね。
ただし、量を採るのは難しいようですが(平らじゃないから)。
高萩さんのおいしいレンコンは、ページ下段のお店で売っていますよー!
(買ってねー!)
そして、「農らく路(のらくろ=高萩さんの農園の屋号です)」のメインであるアスパラガスが、ぐんぐん育ってきています。
前回訪問した時は、まだハウス内は枯れたアスパラガスでいっぱいだったのですが、今はキレイに片付けられていて、新しいアスパラガスがあちこちに顔を出していました。
「良かったら食べてみてください」
と、高萩さんがその場でアスパラガスを切ってくれました。
(え、アスパラを生で?!)
テレビの農家取材でよくある展開ですが、生のままガブリと食べてみると……。
おお!アスパラの味がする!(当たり前か)。
そのまま食べても、しっかりとアスパラガスの味がして、甘味があっておいしかったです。
生でも食べられるんだなー、アスパラ。
……ところで。
前回の取材記で作っていたビニールハウスは無事に完成。
中では育苗が始まっていました。
温床方法を聞くと、「踏込温床」ではなく、電気で温めているとのこと。
そりゃ、さすがにそうか(笑)。
木こりになった高萩さん
さてさて、今回も例にもれずに高萩さんのお手伝いをしてきました。
今日のお仕事は、なんと「木の枝打ち」。
え? 高萩さん、農家から林家に転職?!
いえいえ、必要とあらば農家は何でもするんです!(笑)
高萩さんのハウスの周りには、銀杏の木が生い茂っています。
秋になると、それはそれは美しい黄色に染まって、見る者に感動を与えている銀杏の木ですが、どうやらこの木が風通しを悪くしている模様。
アスパラハウスの天井に生えたコケは、風通しの悪さが原因で発生している可能性が高いとか。
「他のアスパラ農家に行っても、こんなにコケが生えていなかったので」
と高萩さん。
大家さんに断って、木をいくらか切らせてもらうことになったようです。
私が到着した時には、既に大きな銀杏の木がいくつも切られていました。
これ、高萩さんが全部ひとりでやったのか……、農家のたくましさを改めて思い知った次第であります。
「木を切る」というと、環境を破壊しているように感じてしまいますが、一概にそうとは言えないんですよね。
木が生えすぎてしまうと、今回の高萩さんちのように風通しが悪くなったり、太陽の光を遮ったりと、実は木の生長にとってもよくないんです。
だから、間伐が必要になるんですね。
この間伐をするのが、林業であり、林家であり。
今は茨城県内でも林家が減っているらしいので、森の健康状態が気になります……。
と、今回この例を出すのが正しいかどうかわかりませんが、付け焼刃の知識を披露したくなったのでこのまま掲載しておきます(笑)。
本日の私の仕事は、高萩さんが切り終った木の枝をナタで切るという作業でした。
太い枝は大変なので、小枝だけ切り落としてくれればいいとのことで、なぁんだ、簡単じゃんと高をくくって作業していたところ、10分足らずで息切れする始末。
作業は簡単ですが、体力は消耗するようで。
(それよりも、日頃の運動不足が問題だろ)
ですが、次々とナタを振り下ろして枝を切り払っていくのに、ちょっとした快感を覚えたり。
とりあえず、二の腕の筋肉痛は必至ということで。
嗚呼、運動不足。
休憩中に「健康のために走ったりゴルフしたりと体を動かしているんですよ」と高萩さんに話したところ、
「農作業なんていいんじゃないですか? 痩せますよ」とアドバイスをいただきました。
健康のために農作業か……。
「アリだな」と思った平成最後の春の一日でした。