野良本 Vol.42 人口減少社会という希望 / 広井良典

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これからの時代に希望を持つために読む本

あれは、私が農家の元で働いている時だった。その時付き合っていた彼女は、別の農家の娘で農業をしていた。

その娘を連れて、居酒屋に行った時のことである。酒に酔った私は、熱心にこんなことを語りだした。

「これからの世の中は『地球』をベースに考えるべきだよ。俺たちは地球に住んでいるんだから、その基盤となる地球がダメになってしまったら金持ちだろうと何だろうと関係ない。地球ありきで考えるべきなんだ。世の中全体が地球に良いことをしていかないとダメなんだ。そうしないと、子どもたちの世代が不幸になってしまうよ。子どもの不幸は親の不幸でもあるでしょ? つまり、それは自分自身の不幸とも呼べる。地球を大事しないと、結局は不幸になっちゃうよ」

特に環境について何かを学んだ訳ではないくせに、当時思っていたことを熱弁した。聞いている彼女はぽかんとして「言っていることが難しすぎて、私にはよくわからないや」と言っていた。

それから少しして、彼女から別れを告げられた。

それから10数年して、私は別の女性と結婚した。

そして、先日東京の出生率が0.9と報道されたように、現在は「人口減少社会」の真っただ中。私は「人口減少社会という希望」という本を読んでいる。

この本には、人口が拡大し、経済成長が限界に達し、資源をいたずらに使用してきた人類が、今後は減少していき、やがて均衡状態に向かって行くはず、ということが書かれている。これまでの人類の歴史を振り返ってみても、ちょうどその周期だという。「幸福」の捉え方も世界的に見て変わってきていて、ブータンのGNH(国民総幸福量)のように、経済的な豊かさだけを幸福とするのではなくなってきている。

日本は今後、もっと地域に目を向けて、ローカルで経済をまわすような生活にしなければならない。現在(この本が出版された当時は2013年)の若者には、そういった考えを持って生きている人たちも多い。それには、ヨーロッパのように福祉(ケア)を重視し、コミュニティを重視した街づくりも不可欠だ。例えば、車社会の日本の地方は「歩く」ように町が設計されていない。ヨーロッパの中心街は「歩く」ように設計されおり、歩くことで人と人がすれ違い、そこにコミュニティが生まれる……。

そのようにしていくためには当然政治が重要で……。

このへんまでは私でも理解できた。

だが、これ以降はちょっと難しい話になっていき……「古事記」や「科学」の話に及ぶと理解するのが難しくなり、「言っていることが難しすぎて、私にはよくわからないや」となってしまった。

当時の彼女の気持ちが、今理解できた。

それを理解した上で、私はこの本に最後まで付き合おうと思う。

 

今回紹介した本

人口減少社会という希望

出版社 ‏ : ‎ 朝日新聞出版
著者 : 広井 良典
発売日 ‏ : ‎ 2013/4/25

>>「人口減少社会という希望」を購入する

人口減少社会のデザイン
出版社 ‏ : ‎ 東洋経済新報社
著者 : 広井 良典
発売日 ‏ : ‎ 2019/9/20

>>「人口減少社会のデザイン」を購入する