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(ひとり農家のひとりごと取材記改め)城里町の高萩さん・取材記(7)

ヒト取材記
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農らく路の梅雨とファーマーズ・ハイ(2019/7/21)

 

2ヶ月ぶりの高萩さん宅訪問

先日、2か月ぶりに高萩さん(屋号・農らく路)の畑におじゃましてきました。

5月5日に取材した後にも、古内茶のイベントや若手農家さんの会合などで高萩さんにはお会いしていたので、それほどご無沙汰な感じはありませんでしたが、その際は農作業の状況までは聞くことができなかったので、今回まとめて聞いてきました。
(そして、しれっと改題しています)

5月の高萩さん
・ゴールデンウィークまでアスパラの収穫
・その後、間引きしながら収穫し、株を休めて立茎
・5月中旬にレンコン植え付け完了
・5月下旬にマコモの植え付け完了
6月の高萩さん
・干し芋用のサツマイモの植え付け
・アスパラの収量が少ないので、管理作業(草取りなど)
・古内茶のイベント
7月の高萩さん
・上旬、アスパラの収穫(収量増)
・中旬・下旬、梅雨(日照不足)の影響でアスパラの生育が悪くなり、収量減。
・草取りなどの管理作業

……ここ3ヶ月くらいの高萩さんの作業はこんな感じでした。

蓮田はこんな感じ。

 

今年の梅雨は「梅雨寒」といわれ平年と比べて気温が低く、日照時間も極端に少なくなっています。
(7/23現在。しかも、長い…)

この天候不良のせいで、我が家の茄子も元気がないです。

家庭菜園ならばまだよいですが、野菜の栽培を生業とする農家さんにとっては、相当の痛手になっているのではないでしょうか。

今月の高萩さん

高萩さんの畑でも主力のアスパラが、やはり梅雨寒の影響を受けていました。

「去年と比べると収量が3割、4割落ちています」

と高萩さん。

でも、それは去年が比較的収量が多かったせいもあって、一昨年と比べるとそこまでの損害ではないそうです。

今回もアスパラのハウスを見させていただきましたが、2か月ぶりに見たのでその生長ぶりに驚きました。

 

5月に見た時はひょろひょろと伸びていたアスパラが、今はワサワサと枝を伸ばして森のようになっているではありませんか。

植物のたくましさを改めて実感するとともに、2ヶ月取材をさぼったことも実感できました。

そして、この日も恒例の(?)採りたてアスパラを生でパクつかせていただきました。

採れたてアスパラうまし。

お味の方は…えぐみがなくて、甘くておいしい!

やっぱり採れたての野菜は美味しいですね。

収穫したその場で食べられるというのは、栽培者でなければ味わえない特権ですので、今回も役得でそれを味わせていただきました。

 

さてさて、今月の高萩さんは、日照不足問題以外でも大変だったようで。

マコモを植え付けた田んぼにトラクターを入れたところ、トラクターが田んぼに埋まってしまい、脱出できなくなるという大事件が起きたのです。

田んぼに埋まったトラクター

隣の田んぼのおじさんに助けてもらったとのことですが、

「田んぼに埋まったトラクターの脱出方法がわかって、勉強になりました」

と前向きに捉える高萩さんに、脱帽。

ですよねですよね、日々勉強ですよね!高萩さん!

日々ぐうたらしている私の胸に、高萩さんのその前向きな言葉は、痛いほどに突き刺さったのでありました。

 

今月のお手伝い

草取りBefore(向かって右の方が草生えてる)

梅雨。

じめじめとした空気が肌にまとわりつき、カラッと快晴なんて日は数えるほどしかなく(今年にいたってはほとんどなく)、毎日のように雨と曇りが続く憂鬱な日々。

人の心は憂鬱になるけれど、植物たちにとってはたっぷりと水分が得られる生長の時期になります。

春がやってきた頃は(ああ、新緑が美しい)なんて呑気に感動していましたが、この梅雨の時期になるともうそんなことは思いもしません。

鬱陶しいくらいに草が生い茂り、つい先日刈ったかと思えば、また茫々と伸びてきて、放っておくと背丈ほどの高さの草があたり一辺に…なんていうホラーな現象が普通に起きます。

自然の力を借りて食べ物を作る農家さんの場合、この雑草との戦いはもっとも苛酷な労働のひとつ。

「草取りは無駄な作業」と長年言い続けている高萩さんですが、作物の生育を邪魔するような草は抜かなければなりません。

というわけで、今回のお手伝いは「草取り」。

生姜が植えられている圃場の草を取りました。

この草取りの作業は、腰を低くし身をかがめるため、無駄に高身長の私にとっては「極めて」苛酷な作業になります。

この日も草取りを始めて30分くらいで、腰を伸ばすために立ったり座ったり。

休み休みなので、作業スピードも上がらず。

2時間ほどやって、高萩さんの作業量の半分くらいしかできませんでした。

草取りを始めた最初のうちは、高萩さんと私と私の連れ合い(今回飛び入りで参加)は楽しく談笑しながら草を取っていたのですが、

作業スピードが違うので段々と高萩さんとの距離が離れ、会話するのも困難な距離になるとそれぞれ黙々と草を取るようになりました。

草を取り、少し足を動かして移動して、また草を取り、また少し移動して……の単純作業をほぼ無言で延々と繰り返します。

そうしているうちに、視界に入るのは土と草ばかりになって、その世界に没頭し始めます。

土と草しかない世界になるのです。

その状態になると、あっという間に時間が過ぎていきます。

気付いたら、2時間経過。

振り返ると、きれいになった生姜畑。

ちょっとした達成感が得られるのは、草取りの良いところですかね。

草取りAfter。

この草取りの境地を高萩さんは「ファーマーズ・ハイ」と呼んでいます。

なるほど、少しばかりハイになっていたような。

言いえて妙。

このブログから発信された「ファーマーズ・ハイ」という言葉が今年の流行語になれば、ブログのPV激増して広告収入増えて、さらに出版しませんか?なんてお誘いが来て…。

普段からこのような妄想を抱いてしまう私は、日常からしてハイ(廃?)なんだろうな…。

ちなみに、たんじゅん農法(炭素循環農法)で栽培している生姜畑。草取りなしでも、ほとんど草が生えない。すごい。