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初・幌獅子のパレード(石岡のおまつり2024)

コト
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石岡のおまつりで幌獅子のパレードを見てきた(2024/9/15)

そもそも私は祭りなんてものにたいした興味を持っていない人間だ。騒がしいし、混んでいるし、何をしていいかわからないし、いや、それ以上に、だ。祭りなんてのは、あれだ。学生時代に陽気なキャラだった人が活躍する場であろう。運動会しかり。私は自分で言うのもなんだけれど、決して「そっち側」の人間ではなかった。大人になった(いや、おっさんになった)今でも、その立ち位置(というかもはや役割といっていいだろう)は変わらない。

私の祭りの思い出といえば。私がお目目くりくりのかわいらしい少年だった頃、町内の子ども神輿祭りに出かけて、野良犬に追いかけられたのを思い出す。泣きながら走って逃げる私を、野良犬は容赦なく追いかけてきた。今の時代では考えられないだろうが、私が子どもの頃は野良犬が街中にウロウロしているのが当たり前だった。私は這う這うの体で逃げまわり、どこぞの民家に逃げ込んでそこの家の人に助けてもらった。

それから少しの時が経ち。小学4年生になった年の夏祭りで、山車に乗って太鼓を叩く役割をもらった。夏休みの夕方になると、太鼓の稽古をつけてもらいに町内のどこぞの家に通った。そのころは、夏の始めの夕方になると、あちこちから太鼓の練習をする音が聞こえてきた。私はその役割をもらい、誇らしかった。同学年の友人は、既にその役割をこなしていて、祭りの時にその友人が太鼓を叩く姿を見て格好よく見えたから。友人に追いついた、私も晴れ舞台に立てる。そんな心持でいたのだが。ある日、父方の祖母が亡くなった。喪中となった私は、太鼓を叩く役割を降りるしかなかった。それ以降、私が太鼓を叩くことはなかった。

要するに、祭りに良い思い出がない。だから、祭りが好きではないのだろうか、それともそもそも祭り向きの性格ではないからだろうか。まぁ、両方なんだろうな。

そんな私が今年、祭りに行った。しかも、茨城県で最大級の規模を誇る石岡のおまつり(常陸國總社宮例大祭)ときたもんだ。関東三大祭りの一つに数えられているほどに大きな祭りで、石岡を故郷に持つ人は「正月やお盆には帰らなくても,お祭りには帰る」と言うらしい。後日、石岡出身の人にそのことを尋ねたら「そうだよ」と言っていた。

とにかく、私が祭りに行くなんて。どうにも「らしく」ない行為だと我ながら思うが、妻の希望だったから、まぁ仕方ない(逆らえない)。その日は少しばかり疲れていたから家でのんびり過ごしたいんだよな、本当は、としぶしぶ家を出たのだが。

「あ、暴れ獅子だ! ほら、こっちに来てみてみなよ!」

午後3時に始まった幌獅子のパレードにて、私はいささか興奮してしまった。いささか? その時の私を見ていた家族は疑問に思うかもしれない。だって、家族の誰よりもはしゃいでいたんだもの。

「暴れ獅子」とは、口が紐で縛られている獅子を指す。いや、正確にそのように呼ぶのかどうかは、実をいうと知らない。

「母が言ってたの。あれは悪さをする暴れ獅子だから、口を縛られているんだって」

そのように妻が言っていたから、私はそれをそのまま「暴れ獅子」と呼ぶ。

それにしても、幌獅子のパレードは強烈なインパクトだった。石岡の駅前通りを「幌獅子」が行列をなして次から次へとやってくる。その数……ざっと…どれくらいだろう。10は軽く通り過ぎたな。後から調べたら31らしい。

「幌獅子」というのは、大きな台車のようなものに太鼓を叩く人が乗り込み、その先頭に獅子の頭があって、獅子頭は当然人が被っていて、被りながら「舞って」いて。それらが幌で包まれていて……と自分の言葉で何とか表現してみようとしたものの、どうにも難しいようなので石岡市観光協会の言葉を借りると。

大型の荷車の上に小屋があり、それに布の幌(胴幕)が掛けられています。幌の色は通常2色で、布の色で町内が分かるように各町内独自の色を使用します。この先端に獅子頭が付いていて、それを一人でかぶり持ち、舞いながら進みます”

というもので、日本でも珍しいものらしい。この獅子の舞がまたよいんだ。力強くてリズミカルで。とてもかっこうよいのだけれど、なんだろう、私たちが見ている前に来るとみんな獅子頭を脱いで次の人にバトンタッチする。恐らく、私たちは獅子の交代ポイントで観ていたのだろう。

幌獅子は、石岡の町内ごとに用意されていて、町ごとにそれぞれ顔が違う。顔が黒いのもいれば、赤いのもいる。金色が多いのもいれば、頭のてっぺんにギボシのようなものをつけたものもいる。獅子の顔の違いを見ているだけでも、楽しめてしまう。ちなみに、暴れ獅子こと、口を紐で結ばれた獅子は「星の宮町」の獅子だった。

加えて、幌獅子の行進の仕方も町内事に違っていて、掛け声がにぎやかなところがある。それが夜のお店でお酒を飲む時の音頭に似ていて、見ているこちらも楽しくなる。いや、断っておくがここ数年そういったお店には行っていなくて、かれこれ何年行っていないだろう、と思い出そうとしても思い出せないくらいで……と、この場で体裁を取り繕ったところでどうしようもない。私は聖人でもなんでもない。普通の40をゆうに越えたおっさんである。

そのように行進をする人々を見ているのも楽しい。若い人が多い町、人が少ない町、いろいろある。小さな子どもが小さな獅子の頭をかぶって踊っている町もあった。「かわいい、かわいい」と妻が言う。そういう風に「かわいい、かわいい」と言う君がかわいいよ、なんてことは言わない。言ったところで「何言ってんの?あんた」と言われるのがオチである。

結局、最初から最後まで幌獅子のパレードに見入ってしまった。その頃、子どもらは既に飽きていて、座り込んでゲームをしていた。

私たちはそのまま石岡の町を散歩した。お祭りだから歩行者天国になっていて、露店がたくさん出ていた。子どもたちがあれ買ってくれ、これ買ってくれと言うものだから、あれやこれやを買ってやった。立派な神社(常陸國總社宮 )にも立ち寄った。そこのマンホールの蓋に獅子の絵が描かれていた。それを見て「獅子だ獅子だ」とまたにわかにはしゃいでしまった。子どもらは「こんなことならおとっつあん連れてくるんじゃなかった」と思っていたかもしれない。

 

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常陸國總社宮の近くにあったマンホール。獅子の絵柄をしていた。

幌獅子を横から見た絵

石岡といえば、獅子

山車も石岡の祭りの見どころのひとつ。「おっしゃい、おっしゃい」という掛け声も。