城里町産の朝採れ野菜を
元シェフの地域おこし協力隊がシンプル・クッキング
8月31日は、野菜の日
「8月31日」という日付から、何を連想するでしょうか?
8月最後の日、夏の終わり、夏休みの終わり(最近はそうでもないようですが)、明日から学校で憂鬱、終わらない宿題、始業式から一週間は「宿題終わってるけど学校に持ってくるの忘れた」と言って誤魔化そう…。
小学生並の思考回路をしている私は、そのような苦いイメージ(思い出)ばかり持っていましたが、今年からはそのイメージが変わりました。
なぜなら、8月31日は、8(や)3(さ)1(い)の日と知ることができたから。
野菜の日は、1983年に全国青果物商業協同組合連合会など9団体の関係組合が「野菜をもっと食べてほしい」という想いを込めて制定した「野菜記念日」なのです(サラダ記念日ではない)。
「8月31日=野菜の日」と知ると、苦いイメージが払拭されて、みずみずしくおいしいイメージに変わったわけです。
野菜の日には、全国的に野菜に親しむイベントやキャンペーンが開催されています。
2019年は茨城県城里町でも野菜の日にふさわしいイベントが開催されました。
夏の朝採れ野菜クッキングのあれこれ
城里町で開催された「夏の朝採れ野菜クッキング」は、城里町でその日の朝に採れた野菜を、城里町の地域おこし協力隊(元シェフ)が調理して、来場者に試食してもらうというイベントです。
朝は1日のうちで一番果実に養分が溜まっている時間帯で、夏野菜の一番おいしい収穫時間と言われています。
トマトやナス、キュウリなどの夏野菜の代表格たちは、朝になるとその実に水分をたくさん蓄えて、みずみずしく、おいしくなるんですね。
旬の時間に収穫した、旬の野菜を食べられる…しかも試食会なので無料!というのだから、こんなに「おいしい」イベントはなかなかありません。
イベント会場となったのは、城里町内の空き店舗を改装して作られた「しろさとステーション」です。
開場30分後くらいに現地に到着しましたが、既にお店の中は人でいっぱいになっていました。
扉を開けてみると、来場者の皆様はおしゃべりをしたり、試食をしたり、野菜を買ったりとそれぞれイベントを楽しんでいる様子。
きょろきょろしていると、馴染みの顔もちらほら。
城里町といえば、高萩さんです。
今回のイベントには城里町の農家さんとして参加し、「じぶんジンジャエール」講座の司会を務めるなど、古内茶の庭先カフェに続いて大活躍していました。
ちなみに、「じぶんジンジャエール」とは、生の生姜を口に入れ5回くらい噛んだ後、炭酸水を口に含むと……ほうら、ジンジャエールに!というもの。
高萩さんは食材となった生姜を提供し、天然のジンジャエールの飲み方を来場者にレクチャーして、会場を盛り上げていました。
(そして、このブログでの紹介を機に、「じぶんジンジャエール」の全国展開を狙っているとか、いないとか)
城里町の養蜂家・長島さんが持ってきたのは蜂の巣です。
これをスプーンですくうとトロトロの新鮮なハチミツが。
口に入れると、んー!甘い!これはハチミツだ!って当たり前か。
グリーンスムージーのオフィシャルインストラクターの宮本郁美さんは、会場で野菜と果物のスムージーを振る舞ってくれました。
私が飲ませていただいたのは、空芯菜とナシのスムージー。
二つの食材をミキサーに入れてかき混ぜれば、ナシの甘さと空芯菜の栄養価が合わさった美味しくて健康的な飲み物の完成です。
飲むと元気になりますよね、スムージーは。
宮本さんは、カフェなどでスムージーのワークショップも開いております。
興味のある方はぜひ!
http://instagram.com/ikumi_miyamoto
他にも、地元農家さんが店内で野菜を販売。
ただ野菜が置かれているわけではなく、それを作っている農家さんがその場にいるというのが良いですよね。
茄子を家庭菜園で作っている私には、白ナスを栽培している渡辺さんに興味津々でありました。
城里町といえば、古内茶!
もちろん、イベントでも販売されていました。
夏の朝採れ野菜クッキングで試食三昧
そして、本イベントのメインである朝採れ野菜を使用した料理の試食です。
調理を担当したのは、城里町の地域おこし協力隊であり、元シェフの後藤啓介さん。
城里町で採れた野菜…茄子やアスパラ、じゃがいも、にんにく、きゅうりなどを使って、多彩な料理を作ってくれました。
後藤さんに、今回の料理のコンセプトを聞いてみたところ、
「特別な調理法を使わなくても、野菜はおいしく食べられるということを伝えようと思いました。切る・焼く・揚げる・煮る…など、調理はいたってシンプルなものです。レシピを書いたとしたら、3行で完結できるくらいに簡単な料理ですね。行程が多くなると、素材の魅力が損なわれてしまうと思ったので」
とのこと。
朝採れ野菜という贅沢な素材の魅力を、存分に引き出すためにシンプルな調理を心掛けていたようです。
試食で提供したメニューの中で、好評だったのは白ナスのステーキ。
こちらの白ナスは、やはり城里町の茄子農家・渡辺さんの提供です。
品種は「揚げてトルコ」(すごい品種名だ…!)。
加熱することでトロッとした食感が出るという特徴があります。
実際に食べてみましたが、驚くほどにうまいです。
食感が普通の茄子とまるで違います。
味付けの塩加減もちょうどいい塩梅で、「素材の良さを生かす」とはこういうことなんだなと思い知らされた逸品でした。
これは、家でも食べてみたい!と思い、白ナスを購入しましたが、なぜだか一つしか買わずに後悔したというのは、また別の話です。
後藤さんは、今年で地域おこし協力隊は3年目。
協力隊としての活動は、今年が最後になります。
そんな後藤さんに、今後の抱負を一言。
「農家さんの横の繋がりを活用して、更なる魅力発信の場を提供していきたいです」
協力隊終了後も、きっと城里町で活躍してくれることでしょう。
夏の朝採れ野菜クッキングがもたらした「和」
というわけで、2019年の野菜の日(8月31日)は城里町のイベント「夏の朝採れ野菜クッキング」にお邪魔してきました。
新鮮な食材を使ったおいしい料理を食べていると、心がゆったりとしてきて、自然と人との会話も弾み、たくさんの来場者の方と交流することができました。
見ず知らずの人とでも、楽しく会話ができる機会はそんなに多くはないはずです。
おいしい食事が人と人との「和」を生み出し、楽しい時間を演出してくれていたように思います。
「しろさとステーション」という手作り感満載の会場も、その小ささゆえに交流がうまれやすくなって、「和」づくりに一役買っていたでしょう。
小さな町の小さなスペースで開催された小さなイベントではありましたが、
「わっ」と驚くような発見や出会いもたくさんあって、食と人のもたらす「和」のぬくもりが感じられた素敵なイベントでした。