無邪気な一票

三代目むじゃき@小美玉の台湾まぜそばを食べながら、選挙について思う。

 

とある衆議院選挙投票日の昼飯を、小美玉の「三代目むじゃき」で食べた。「むじゃき」は水戸が本店のラーメン屋で、友人の呑兵衛Sとの会話でよく名前が挙がる店だった。

呑兵衛Sは酒も好きだがラーメンも好きで、おいしいお店をよく知っている。しかし、呑兵衛のSがうまいと言っていたのは、「むじゃき」の何ラーメンであったかまでは憶えていない。Sに連絡を取ろうと思うも、既に閉店間際の時刻であったからその余裕もない。

だから、適当にメニューにあった「台湾まぜそば」を頼んだ。如何にも呑兵衛が好みそうな品だと思ったから。

適当に頼んだものの、この台湾まぜそばがうまい。ぴりっと辛く、太目の麺が私好みで、ボリュームもある。

うまい、うまいと食べながら、前夜のことを思い出した。

衆議院選挙投票日前夜、呑兵衛のSからLINEが届いた。

「○○党に入れて」

いや、私は君とは選挙区が違う、○○さんに入れるつもりだと返すと、

「それは小選挙区だから。比例区は一緒」

政治の「せ」の字も知らないうつけ者であることを朝っぱらから露呈してしまう。
何故に○○党か、と呑兵衛に問うと、

「おもしろそうだから」

と返ってくる。
おもしろいかおもしろくないかで貴重な一票を投じるのか、けしからん奴だと憤るが、小選挙区と比例区もわかってない私が政治を語るのもおかしなものである。

そもそも最近仕事が忙しい。忙しすぎて、正直なところ選挙どころではない。特にここ一週間は忙しすぎて、習慣である就寝前の読書をする気力すらなかった。けれど、この忙しく働かねばならない世の中を作っているのが政治である。選挙に参加せねば忙しさの根本が変わらないというのだから、もどかしい。だからといって、忙しいから選挙公約を読む暇もない。

それで選挙だけ行くのも、どうなのだろう?
私がSに促されて○○党に票を入れるのは、「選挙」と言えるのだろうか?
てゆーか、Sは以前にも○○党に入れてと言ってきたな、ひょっとしたら○○党の回し者なのか?

いろいろと悩んだ挙句、比例区はSが勧める○○党に票を入れた。
理由は「おもしろそうだから」。
前々日に新聞に出ていた○○党の広告は、たしかにおもしろいものだった。

「おもしろそう」なんて無邪気な理由で票を入れていいものか知らん(小選挙区はちゃんと考えて入れました)。
自分の行動に疑問を抱きながら、「むじゃき」のまぜそばを一心不乱に食べ続けた。