春になると食べたくなる、そば処なが井の「春野菜の天ざる」(2024/5/8)
平日にぽっと休みができた。
「明日休みになったんだけれど、どこか行きたい?」
同居している母に聞くと、
「蕎麦食べに行きたい。なが井さんの蕎麦」
と言うから、茨城県笠間市にある「そば処なが井」に蕎麦を食べに行く。
振り返ってみると、毎年のように春になるとなが井に行って春野菜(山菜)の天ぷら蕎麦を食べていた。
どうれ、今年もいっちょ春野菜の天ざるを食べてくるか。
店に行くと、いつも通り現・店主の息子さんとそのお母さんが温かく出迎えてくれる。
母は天ざる、私は春野菜の天ざるを注文すると、店のお母さんが私たちの席に来てあれこれと母に話しかける。
旧・店主は私の父の親友だった。家族ぐるみでなが井さんとは付き合いがあった。父の墓地はなが井さんの旧・店主と同じ場所にあり、墓参りの度に一緒に線香をあげていた。
そんな仲だから、母となが井のお母さんも仲が良い。私は母たちの会話に時折混ざりながら、蕎麦を待つ。
私たちの蕎麦が到着する頃に、店が混雑し始める。団体さんのお出ましである。おじいさま、おばあさまの団体で、何とかゴルフの集まりだという。今まで落ち着いていた店内が急に賑やかになる。
さて、蕎麦である。
今年の春野菜の天ぷらの中身は、
・春菊
・コシアブラ
・うど
・たらの芽
・こごみ
別で筍が入った添え物があった。
例のごとく、コシアブラと春菊以外が何の天ぷらだかわからないので母に聞く。
「これ、何だろう?」
「わからない」
「これは?」
「わからない」
「じゃあ、これ」
「わからない」
2021年とまったく同じやり取りをする親子であった。
天ぷらはさくさくで、黒味がかかった蕎麦は甘味があって本当においしい。「本当においしい」と言う割に、年に一度くらいしか来ていない。ただのお客さんとお店の関係でもないのだから、もう少し食べに行っても良いと我ながら思う。
帰り際に、なが井のお母さんが「これ、静岡の新茶貰ったから持って行って」とお茶をくれた。最近お茶にハマっているので、これはうれしいお土産だ。
帰りの車中で「おいしかったね」と母に言う。
「うん、おいしかった」と母も言う。
「前よりおいしくなった」と母はなが井で蕎麦を食べる度に言う。確かに、来るたびにおいしくなっていると思う。
「おばちゃん、腰が曲がっちゃったね」と私が言う。
「この歳になると、仕方ないね」と母。
「洗い物しているから曲がっちゃうのかな」
「そうかもね」
来年も、再来年も、その先も。
なが井で蕎麦を食べて、このようなやり取りができますように。
店舗詳細
住所 茨城県笠間市八雲1丁目3−6
定休日 毎週日曜
営業時間 11:00 – 20:00 L.O. 19:30
特徴 常陸秋そば +100円で十割に 季節ごとの限定メニューが人気(冬季の牡蠣そば、けんちんそば、季節ごとの野菜の天ぷらそばなど)田舎蕎麦 石臼挽き手打ち
※店舗情報は変更になっている可能性があります。