農薬なし・添加物なし・プラスチックなし。“地球に優しい、美味しい、楽しい、つながる”夜のマーケットを開催!(取材日:2020/10/3)
KONBANWA! NIGHT MARKET
「今日、水戸のNamakemono(ナマケモノ)というカフェで、ナイトマーケットをやるんですよ」
城里町の高萩さんからそのような情報を得た私は、高萩さんの取材を終えた後、ナマケモノがある水戸市有賀町に向かった。
ナマケモノというカフェの存在は、草っぽ農園の片野さんから聞いていて、オーガニック野菜を使った料理を提供してくれるカフェだということは知っていた。
それで、いい機会だと思って私もその「ナイトマーケット」なるものに行ってみることにした訳である。
はて、ナイトマーケットとは?
一体何を売っているのか?
どんなイベントなのだろうか?
予備知識のない取材は、何とも心細い。写真も質問も、すべて現場勝負である。でもそれって…ちょっとワクワクもする。
ナマケモノは、地元で有名なうどん屋さん「たらいうどん椛や」のすぐ隣にあった。到着したのは18時過ぎ。イベント開始は17時と聞いていたが、「マーケット」なので時間は問題あるまい……と思っていたら、駐車場がすでにいっぱい。
あれれ? こんなに人が集まるほどのビッグ・イベントだったの?
何とか駐車して、イベント会場のナマケモノへ。辺りは既に暗くなっていて、お店が灯す明かりが煌々と闇を照らしていた。店内からはいい感じの音楽が流れ、雰囲気はちょっとしたクラブ・イベント? 軒先には「KONBANWA! NIGHT MARKET」という小さな横断幕?が掲げられている(どうやらこれが正式なイベント名称だとあとで知る)。
何だかすごいイベントに来てしまったな、と思いながら、店の前まで行くと、そこには知った顔がちらほら。草っぽ農園の片野さんご夫妻の姿もあった。知り合いと少し話をすると、さて取材、やれ取材、である。お店の人に声をかけ、イベント主旨の聞き込み開始だ。
ナマケモノの方「このイベントは、『農薬なし・添加物なし・土に帰るものを使用』を掲げて開催しています。だから、マーケットで売られているものは全て無農薬野菜で、料理もそれらを利用したもので、添加物も使っていません。あと、環境問題を考慮して、プラスチックは絶対に使わない方針です。もちろん、ビニール袋もなしですよ」
おお!素晴らしい!そんな主旨のイベントだったとは知らなかった。
地球温暖化やゴミ問題と様々な問題を引き起こしている「プラスチック」は、コンビニのビニール袋有料化でナウな問題ですし。
なぜ、このようなイベントを開催しようと思ったのですか?
ナマケモノの方「オーストラリアでは、オーガニックのマーケットを身近な場所で頻繁に行われていて。カラダにやさしい食物を食べよう!ということを、どうやったら日本人にも伝えられるか、というのは以前から考えていました。このお店をやってきて、いろいろな方々と知り合いになって、このようなイベントをやってみよう!という話になったんです」
なるほど~。しかし、すごい雰囲気ですね。まるで日本じゃないみたい(実際に外国人の方の姿もあるし)。
ナマケモノの方「そうですね。うちのオーナーはフランス人で、今回は台湾の方も参加してますから」
今回が初めてのナイト・マーケットということですが、第2回の予定はありますか?
ナマケモノの方「マーケットは続けていきたいです。シーズンごとに開催して、徐々に大きくしていければ!」
ぜひぜひ!
という訳で、イベント内容を把握。あとは会場を歩いて見て回って、写真を撮って。その後、やはり車を停める場所に四苦八苦していた高萩さんと合流する。高萩さんもイベントの盛況ぶりと雰囲気に驚いていた。一緒にナイトマーケットの本体である椛やさんのテラスに移動する。
そこでは、石窯ピッツァや無農薬野菜、無農薬野菜を使ったスープなどが販売されていた。生産者たちが直に店頭に立ち、人々と触れ合いながら野菜やらを販売している。出店しているのは、ナマケモノに関わりのある方たちばかりであろう。顔見知り同士で話をしながら、楽し気な雰囲気である。温かみのある小さな町の市場といった感じがする。
出店していた「NicoNico食堂」さんで、自然農法野菜を使用したみそスープをいただく。これが、うまい!私が購入した時は、売り切れ間近で「野菜の具がなくなっちゃって」と言われたのだが、スープに野菜の味がしっかりとしみ込んでいて、そんじょそこらのお店でいただくスープよりも格段にうまかった。
自然農法といえば、先日草っぽ農園の圃場を見学したっけ。人の手の介入を極限までそぎ落とし、自然のままに作られた野菜の味は、とても濃厚で野生味があって、それでいて優しい味がした。これが野菜の持つ本来の味なのだろうか。私たちは今、何かに流されてしまい、見失っているものがあるのではないか。そんなことをしみじみと考えた。
野菜のスープは、高萩さんたちと椛やさんの濡れ縁に座っていただいた。濡れ縁からはライトアップされた日本庭園が間近に見える。その美しさも相まって、野菜スープがいっそう美味しく感じられた。
「オーガニックや自然農法というのが、日本やこの地域でももっと一般的になって、そういうものを食べるのが『普通』になればいいね」
後日、イベント参加者のIさんに会った時に、Iさんがそんな風に話していた。その通りだな、と思った。このナイト・マーケットが特別なイベントに感じられないくらいに、いつもどこそこで同じような市場が開催していれば。きっと、それが普通になって、日常になって。手間のかかって数が作れない自然農法や無農薬農法をしている生産者が、それで食べていけるようになって。
そんな世の中になれば、みんな幸せなんじゃないか、なんて単純に思ったりして。