埼玉県飯能市のムーミンバレーパーク「ムーミン谷とアンブレラ」(2022/7/3)
ある日、ツイッターで素敵な写真を見つけた。それは、色とりどりの傘が空いっぱいに吊るされた写真だった。
まぁ、なんときれいだこと。実際にこの目で見てみたい。
そう思って調べてみると、傘の展示場所が埼玉県飯能市にある「ムーミンバレーパーク」と知る。私の住む茨城から埼玉ならば、そう遠くはない。
しかも、ムーミンである。ムーミンの作者・トーベ・ヤンソンの生まれ故郷は、北欧・フィンランドである。
フィンランドといえば…。
リーナス・トーバルズ(Linux開発者)。
ヤリ・リトマネン(元サッカー選手)。
かもめ食堂(小説・映画)。
サンタクロース(サンタクロース村)。
オーロラ……。
フィンランドなどの北欧の国々には、何となく自然な感じで、知的でおしゃれでナウい印象がある。
けれども、私はムーミンをろくすっぽ読んだことがない。それでもムーミンが好きだ(にわか)。いや、ムーミンというよりも、スナフキンが好きだ。
なんか、いいじゃない。あの孤独な感じが、自由な感じが、オシャレな感じが。家にもスナフキンの貯金箱とか人形とか飾ってあるくらいに好きではある。
というわけで。
ムーミンはろくに読んだことはないが、スナフキンは好きだし、傘もきれいだし、というか茨城では過去にアンブレラ・プロジェクトというアート展示があって、茨城県民と傘(アンブレラ)は切っても切れない関係ではないかと私は勝手に思っているし。
ならば、ムーミンバレーパークへ傘を見に行ってみようと思った。
圏央道に乗って、埼玉県飯能市へ。飯能へ着くなり、雷が鳴り出す。せっかく茨城からわざわざ来たというのに、粋なお出迎えである。
雷が収まるまで、ムーミンバレーパーク手前のメッツァヴィレッジで過ごす。このエリアにはレストランなどがあり、雑貨が売られていたが、見ているとあれもこれも欲しくなったから、あれもこれも買わないことに決めて過ごした。
雷が収まると、ムーミン谷へ向かって歩き始める。途中、北欧アートの展示がされていたのでのぞいてみる。
アート鑑賞もいいな、全然知識はないけれど。何だかふわっと、もわっと、ぐわっと感じるものがある。
そうそう、このメッツァヴィレッジ並びにムーミンバレーパークは施設内の雰囲気がとてもいい。木や湖といった自然と北欧っぽい建物がとてもよい気持ちにさせてくれる。ムーミンバレーパークゾーンは、そこにムーミンらしいアートな建物が加わり、ファンタジー度が増す。歩いているだけで、ぶわっと来るものがあった。
メッツァからとことこと歩くと、ほどなくしてムーミンバレーパークになる。ここから有料である。大人一人3,200円である。二人で6,400円……これは高い。しかも施設内のアトラクションを遊ぶのにも金がかかる。貧乏人の私にはちょいと豪華な休日になってしまった。
ムーミンバレーパークに入るとすぐに、傘が吊るされている場所に着いた。
うん、やっぱり写真の方がキレイだな! とツレと話す。
いいんですよ、こういうものはこれで。「映え」ればいいんです、それで話題を呼んで人を呼べればいいんです。私たちも事実そうしてここに連れてこられたのだから。
というか、まぁ本当に、写真として完成されていれば、それはそれで一つのアート作品なのではないか。後々その写真を見て「写真につられて行ってみたけれど、実際はそれほどではなかったかな」みたいな当時の感想を思い出しちゃったりなんだりして。
でも、写真としての完成度は高いから、ゴミ箱行きにはならない、みたいな。スマホやPCの壁紙とかにしちゃったりして。アートでしょ? 私ってアートなヤツでしょ? って。
さておき、コケムスという展示施設は良かった。ムーミンの物語を「体感」できる、という触れ込みだが、実際に入ってみるとまさにそんな感じ。コケムスと施設全体の雰囲気だけで3,200円の価値がある、と思うことにした。
コケムスの後は、そのままスナフキンのテントまで散歩をした。湖を一周できるようになれば、散歩コースとしてもっといいのにな、と思った(高級散歩であるが)。
埼玉県まで来て、北欧の雰囲気の中を歩いた後、私たちは無性に和食が食べたくなった。和が恋しい。やっぱり日本が一番だ。てな訳で、帰りに和食のファミレス「とんでん(北海道生まれ)」で食事をした。どんなに洗練された場所に行ったとしても、結局なんだかんだで、こういう大衆的なお店に心が落ち着いてしまうのが悲しい。