環境省選定の「快水浴場百選」にも選ばれた茨城最南端の海水浴場でまったり水浴び&日本三大砂丘の「波崎砂丘」をちょこっと(2022/7/24)
さて、夏である。コロナが広がれど、夏は夏である。
夏といえば、海である。私が住む茨城県は幸いにも太平洋に面しており、海水浴場がいくつもある。
ならば、夏が来たら海に行けばいい、のだが、海水浴などは陽キャのすること。陰キャの私は、クーラーの効いた部屋で読書か仕事をするのが常である。もしくは夏の高山(これも陽キャのすることか?)……。海に行ったとしても冬の海を遠くから眺めるのが関の山……だった。
そんな私が、近年夏になると無性に海に行きたくなる。季節折々の自然の魅力を肌で感じたいと思うようになったのは、歳を重ねたせいだろうか(40を過ぎてからだろうか)。
そんなワケで、海開き早々海に行くことにした。平磯あたりでくじらの大ちゃんでも見に行くか、と最初は考えていたが、あいにく7/24はひたちなか海浜公園でラッキーFMのフェスがある。ロッキンの時よりかはだいぶグレードが下がっているので、渋滞もさほどではないかもしれないが、それでも渋滞は嫌である。
ならば、他の海に行ってみようと思い、探してみるといいところがあった。それが神栖市の「波崎海水浴場」だった。
波崎海水浴場は、茨城県最南端にある海水浴場で、環境省選定の「快水浴百選」にも選ばれている。
遠浅の海と広い砂浜が特徴で、すぐ近くに風力発電の風車があって、北を見ればそれがいくつも並ぶ光景が、南方には銚子ポートタワーや犬吠埼灯台まで見渡せる。その眺望の良さに加えて、水がキレイ。大洗や阿字ヶ浦と比べると、小さなビーチで人出も多くはないからだろうか、波崎の海の水はキレイに透き通っていた。
この豊かな浜辺の波打ち際に座り込み、太平洋の彼方を眺める。眼前に映るは波と戯れる若人並びに子どもたちの姿。キャッキャとしていて楽しそうである(陽キャどもめ)。けれど、中年の私はこうしてのんびり過ごせばそれでよい。海パンなんて持ってないし、ましてやサーフボードなんてもってのほか。海水に濡れるのは下半身だけでよいよい。こうして少しでも身体が自然のモノに触れていれば、それでいい。歳をとると、自然との程よい付き合い方が段々とわかってくるものだ。
……などと、大人な気分に浸っていると大きな波にザブンとやられる。たまらず後ろにのけぞって、あたふたしている姿をツレや子どもたちに見られてしまい、嘲笑される。
これはたまらん。いや、いい意味でたまらない。海水に浸かるということが、これほど気持ちの良いことだったとは。陰キャ生活が長い私には数十年ぶりのことであった。
海の水の冷たさに慣れてくると、今度は違う遊びを見つける。それが貝殻拾いであるというから、なんと乙女な中年オヤジだろうか。
キレイな貝殻を見つけては、ツレに渡す。これはいいか、ダメか、などと他愛もないやり取りを繰り返す。真っ白い貝殻はそれはそれでキレイだが、茶色や黒が混ざった貝殻もそれはそれでキレイだ。中でも気に入った貝殻は家に持ち帰るという、徹底した乙女ぶりを発揮した42歳のオヤジだった。
2時間も海で遊んで帰ろうとすると、身体がひどくだるくなり猛烈な眠気が襲ってきた。プールから上がってきた時に陥るあの症状である。ツレに聞くと「雨の中仕事してきた時もなるよね」と言う。人は水に濡れるとだるくなるのか。ググってみると、水に濡れると体温が下がり、それを体内で補って体温を上げようとするから起きる現象だという。なるほど、少し勉強になった。
帰り際に「波崎砂丘」なる場所へ行く。砂丘というから鳥取砂丘のような砂漠みたいな風景を想像していたが、だいぶ違う。日本三大砂丘のひとつなんていうから、どんなものかと思ったが、砂の小高い丘が長々と連なっているだけであった。
まぁ、これが砂だけならば素晴らしい風景なのだが、私が見た場所はところどころに草が生えていて、しかもあたりはゴミが散乱していて。それでも全長20㎞の長さというのは、単体の砂丘では日本一の長さであるという。もうちょっと整備してみてはいかがだろうか?
車に留守番していた次男坊が、早々に帰ってきた私たちに質問を投げかけた。
「何を見にいったの?」
すると、長男が「砂」と即答した。
「砂」か。確かに「砂」であることには間違いないで「すな」。
でもあれがただの「砂」ではないことを教えねばなるまい。さっきゅう(砂丘)に。