【メロン王国】方波見メロンのむつみレッドを食す【茨城】

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春が来ると思い出す、方波見農園のメロンの味

茨城とメロン

メロンを栽培するビニールハウスの中

メロン。

その言葉を聞いただけで、口の中に甘さが広がる。

熟してから食べれば、とろとろの果肉と濃厚な甘さ。完熟する前に食べれば、しっかりとした歯ごたえにさっぱりとした甘さ。好みが分かれるところだが、私は完熟する前の少し固いくらいのメロンが好きだ。

メロンは味だけでなく、見た目もいい。まん丸でどっしりとした球体に、びっしりと敷き詰められた網目。とても不思議な模様なんだけれど、この網目が高級感を演出してくれている。

だから、贈り物としてメロンを貰うと、とってもいいものを貰った気分になる。

そんな人々の心をメロメロにするメロンを、日本で一番生産しているのが、何を隠そう我が茨城県である。特に、鉾田市はメロンの栽培が昔から盛んで、全国の市町村で一番メロンを栽培している。茨城県がメロン王国ならば、鉾田市はその城下町といったところか。鉾田市には、メロン城はなくとも、「メロン御殿」と呼ばれる豪邸がいくつもあったそうな……。

 

メロンを求めて……鉾田市へ

栽培中の「ゆうか」。芳醇な香りが特徴のこの品種の収穫は、もう少し先。

過去に私は、このメロンの大産地「鉾田市」のメロン農家で働いていたことがある。だから、春メロンの収穫が始まる時季になると、自然とメロンのことが頭をよぎり、たちまちメロンが食べたくなる。

でも、普通に市販されているメロンでは満足しきれない。私が働いていた、方波見農園の方波見メロンでなければならない。私にとって方波見農園のメロンは、他のメロンとちょっと違う、特別な味がするのだ。

今年も、春メロンの季節がやってきた。5月の風は、新緑の香りと共にメロンの香りも一緒に運んでくるようで。その匂いに誘われて、方波見農園にメロンを買いに行ってきた。

車で鉾田市に入ると、新緑よりも畑とビニールハウスが目につくようになる。どこもかしこも畑。そして、その畑にはビニールハウス。鉾田市はメロンだけでなく、他の野菜の栽培も盛んであるから、そのすべてがメロン栽培用ではないようだが。

畑とビニールハウスの風景を抜けて、安房という地名の辺りに来ると、少し大きなお店などが建ち並ぶ街になる。主要道路の県道から少し外れたところに、方波見農園は昔と変わらぬ佇まいで、私を待っていてくれた。

作業場は、収穫されたメロンで埋め尽くされていた。これから仕分けされて箱に入れられるメロン、箱に入れられて出荷を待つメロン。どこもかしこもメロンだらけである。

方波見農園の今時期に採れるメロンは、「むつみレッド(別称:なだろうレッド)」と呼ばれる赤肉メロン。普通の赤肉メロンよりも、果肉の量が多くて、カロチン臭が少なく、濃厚な甘みがウリである。収穫後4日程度の状態が食べごろだ。

方波見農園に関する記事はこちら…↓

メロンがぎっしりと詰められた箱と忙しそうに仕事をする方波見さんを見て、今が農繁期だったな、と私が方波見農園で働いていた当時を思い出す。

午前中に収穫して、それからお昼を食べて、作業場で仕分けして、箱詰めして、仕分けして、箱詰めして、仕分けして…(エンドレス)。本当に忙しくなってくると、夜中まで作業をしていた記憶がある。

あの頃は大変だったなぁ、
頑張っていたなぁ、
夢も希望もあったなぁ、
でも考えが甘かったなぁ、

と当時の私を振り返りつつ、今の私はどうだろう?と省みる。

私が方波見さんのところにお世話になっていたのは、2014年ごろ。あれからもう、6年も経ったのか。今の私は、果たして6年分大人になれているのだろうか、当時思い描いていた夢の舞台に立てているだろうか、いや、なれていないな、なんて考えてしまう。

毎年のように、この時期になると方波見さんのメロンを食べている。メロンの甘さが、農家に夢と希望を抱いていた当時の記憶を蘇らせる呼び水となり、また頑張ろう、もっと頑張れると思わせてくれる。

そのような経緯があるから、私にとって方波見さんの作るメロンは特別な味がする。

甘いだけではなく、ちょっとほろ苦い味もするのだ。